先日、家族と別居している義父を連れて那須の温泉に出かけたのですが、帰り道に事前情報なしで何気なく立ち寄った「藤城清治美術館」が殊の外素晴らしかったので感想を述べておきます。
初めに私自身が「頭のネジが2~3本抜けているのではないのか?」と言うくらい芸術や美術に関しての才能がなく、従って興味も全くない人間であることを最初に断っておきます。
「藤城清治美術館」は、そんな人でも見ただけで「これは凄い!」と感じられるものでした。
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藤城清治って知ってますか?
恥ずかしながら、私は「藤城清治」なる人を知らなかったのですが、1966~1971年にかけてTVで放映されたカエルの「ケロヨン」が主人公の「木馬座アワー」などの生みの親ですので、50代以上では知っている方が多いのではないでしょうか?
TV放映されていたのが1971年くらいまでの話ですので、1972年生まれの私は「ケロヨン」をリアルタイムでは知らなかったものの、ケロヨンの口癖で当時の流行語にもなった「ケ~ロヨ~ン!」「バハハーイ!」というフレーズはどこかで耳にした事があります。
※薬局の前に置かれていた興和の「ケロちゃん」と混同していたレベルではありますが…。
このコルゲンコーワのCMも昭和30年代から放映されていたようですので、年代的には被りますね。
「藤城清治」ご存知の方はひとまずお待ち頂き、ここでは「藤城清治」を知らない人に「藤城清治」がどう人であるのかをさっくりと説明します。
藤城清治は影絵や版画を主に手掛ける芸術家
「藤城清治」は1924年生まれの影絵や版画などを主に手掛ける、2017年現在では93歳になる芸術家です。
TVのみならず、子供向けの本などにおいてもその露出度は高い物がありましたし、作品は画風に特徴がありますので、40代以下の人でも一目見れば「これど子供の頃に見たかも?」と感じるかも知れません。
私も「藤城清治」と言う名前は知らなかったのですが「子供の頃に見た事がある絵だな」と感じました。
この画風に見覚えはありませんか?
この本は1964年に初版が発売されていますが、何度も再版されていますので若い人も見たことがあるかも知れません。
「藤城清治」がどう言った作品を創作してきたかについては、実際に「藤城清治美術館」に行って見て頂くのが一番ですので、ここでは「藤城清治」の逸話などを中心に触れておきます。
「藤城清治」は1936年に12歳で慶應普通部に入学し慶應の児童文化研究会で人形劇と出会いますが、17歳の時には大東亜戦争が始まり、海軍予備生→20歳で九十九里浜に任官します。
九十九里浜での沿岸防備の任務の際には、赴任地で指人形などを使い部下の少年兵らと共に慰問演芸会などと実施していたそうです。
終戦後には慶應義塾に復学し、卒業後の1947年には映画の配給会社の「東京興行」(現在の東京テアトル)で、パンフレットの編集などを手掛けていました。
1951年には「東京興行」を退職してフリーの芸術家として活動して行くことになります。
その後の「藤城清治」の活動は、本の挿絵やTV番組、影絵による演劇など多岐に渡ります。
作品については、是非一度「藤城清治美術館」を訪れて鑑賞してみて下さい。
藤城清治美術館の感想
館内は撮影禁止となっていますので、実際の作品をお見せすることは出来ませんし、私自身が芸術作品を評価するのに必要な語彙能力を備えてもいません。
そもそも美術品の魅力は理性ではなく感性に訴えかけるものですので、これを言葉で伝えようとする事自体に無理があると思います。
無理矢理に私の貧弱なご能力でお伝えしようとするなら「どこか懐かしい感じがする幻想的な作品」となります。
「藤城清治」は93歳になった現在でも創作活動を続けており、東日本大震災の跡地にも訪れてそれをテーマにした作品も存在します。
「藤城清治美術館」を訪れてみれば分かる事ですが、とにかく彼が作り上げた作品の数は驚くべきものがあります。
その一つ一つの作品を見ると、素人目にはこんな事が人間に可能なのか?と感じるくらいの繊細さと鮮やかさを感じます。
城清治美術館への行き方
「藤城清治美術館」は2013年4月に開業したばかりで施設の住所がピンポイントの場所に割り当てられていません。
「栃木県那須郡那須町湯本203」という地番がかなり広範囲に割り当てられた住所なので、カーナビで施設名・住所を検索しても数百m離れた場所に誘導されてしまいます。
グーグルマップではしっかりと現地まで案内されますので、車で向かう場合には「栃木県那須郡那須町湯本203」という住所で目的地を設定し、周辺についたらグーグルマップなどを頼りに現地に向かいましょう。
藤城清治美術館では、作品なども販売されている
「藤城清治美術館」では版画などの彼の作品や、彼がデザインした家具などが販売されています。
版画については大きさや作品にもよりますが、数万円から30万円程度のものまでありました。
高いか安いかは見る人次第ですが、やはり生で見ると素晴らしいと感じます。
その他にもカレンダーやステーショナリー、ジグソーパズルなども販売されていますが、こちらは現地でなくても通販で購入する事が出来るようです。
(フィルム)遠い日の風景から(影絵) 藤城清治 2017年カレンダー
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