久しぶりに家族でかっぱ寿司に行ってきたのですが、かっぱ寿司はもはや回転ずしではなくなっていました。

そういえば最近店の前を通りががった時に看板や店構えが大きく変わっている様子に気が付いたのですが、さしたる興味も湧かなかったのでその時は特に調べる事もありませんでした。

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》》》かっぱ寿司が食べ放題!?デザートはダメなものもある?

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かっぱ寿司は回転ずしではなく「すし特急」なるものに変貌を遂げていた

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さて、「すし特急」に変貌を遂げたかっぱ寿司ですが、名前の通り従来は寿司が回転していたレーンは動いていません。

以前と比べると、なんだかちょっと寂しい感じです。

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この写真には上下二つのレーンがあり、従来は下のレーンに寿司が流れ、上のレーンは注文品が新幹線に乗って流れてくる仕様でした。

新しいシステムでは、以前はカウンターに配置されていたタブレット状の端末が、テーブルの上に備え付けてあり、そこから注文をする仕組みになっています。

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システム的な部分において見た目だけで判断できるのは、回転ずしの特徴であったレーンに流れる寿司が全てなくなり、全てが注文制になったという点です。

また、レーンに寿司を流す必要がなくなった為に、皿が今までの丸型のものから、角型のものに変わっています。

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このような皿が大中小の大きさで3種類程度ありました。

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注文品を載せてくる新幹線も、皿の形に合わせて角型に変わり、大きくなっているようです。

見た目の目立った変化はこのようなところですが、その他にもいくつか細かいところで変わった点がありました。

例えば全てがサビ抜きになっており、テーブルに使い切りタイプのワサビが置かれている事や、醤油も1種類だけになり、これも使い切りタイプに近い中型のボトルになっています。

味は確実に良くなっている!

全てがサビ抜きになっていたり、醤油のボトルが使い切りタイプに変わっていた点は客にとってはマイナスポイントになりかねませんが、ネタは新鮮ですし、作りたてである点を差し引いても以前よりも「美味しさの面では断然アップしている」というのが家族全員で一致した意見です。

鮮度や脂の乗りが以前とは全然違うという印象を受けました。

会計の際も待たなくて良くなった

以前は会計ボタンを押すと、従業員の方が皿の枚数を数えて紙に書き込み、それをレジに持って会計を行う方法でしたが、現在ではタブレットで会計ボタンを押すと枚数と自動で枚数と金額を表示してくれるようになっています。

因みにこれは注文品が届いたときに「OK」のボタンを押すと、枚数が加算される仕組みのようです。

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この後にテーブルに置いてある番号表をレジに持って行けば、スムーズに会計が終了します。

美味しくなったので、個人的にはなかなか好感の持てる変更点だと思います。

かっぱ寿司の経営不振からの脱却なるか?

かっぱ寿司がこのような大規模なシステム変更にチャレンジしているのには、ここ数年来の業績不振というものが根底にあります。

2013年には元気寿司との経営統合を模索していましたが、これが破談となり、2014年末に外食大手の「コロワイド」の傘下に入る事で決着しています。

「コロワイド」は牛角や土間土間などを傘下に収める外食業界屈指の飲食チェーンを中核とした外食総合プロデュース企業ですが、かっぱ寿司の代表取締役は「コロワイド」から選出されています。

今回のシステム変更は、かっば寿司の経営不振の立て直しという目的である筈ですが、第三者から見ても、なかなか合理的で基本に忠実な改善だと思います。

第一の目的はコストの削減

今回、目に見える部分での変更点をまとめると以下の通りです。

  • レーンに寿司を流さないようにした事で、コンベアを動かす光熱費が減った
  • レーンに寿司を流さないようにした事で、食材の無駄がなくなった
  • 食材の無駄がなくなる事で、それを流すまでの人件費の無駄がなくなった
  • 皿を丸型から角型に変えた事で、少ない面積により多くの寿司を載せて運べるようになった
  • 新幹線も1回でなるべく多くの注文品を運べるように大型化し、トレーの形も出来るだけ皿がたくさん置けるように工夫されている
  • 全てがサビ抜きになた事で、ワサビを塗る分の人件費が省ける
  • 醤油を使い切りのボトルにする事で、醤油の容器に入れ替える人件費が省ける
  • 会計の際に皿の枚数を数える分の人件費が省ける

全てを注文制にしたことで、ピーク時の厨房側の人員の増員が必要となりますが、時間帯別の人員の調整の精度を上げる事が出来ればむしろ厨房側の人員も削減出来る可能性があります。

何故なら、ひたすらレーンを流れ続けて鮮度が落ちた為に廃棄する寿司の量が減れば、1日に握る(握るのはロボットだが)寿司の量は今までよりも減るからです。

まだまだコストを削れる部分がある

同じ業界大手の「くら寿司」などは、食べた後の皿をカウンター下のボックスに入れて自動で回収するシステムを採用しています。

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かっぱ寿司の場合は、会計の際に皿を数える必要はなくなりましたが、食べた後の食器の片付けは、人の手でやる事になっています。

また、客の割に店内に無駄に従業員がいるような印象を持ちましたので、更なるコストの削減も可能なように思います。

かっぱ寿司の変貌を経営者、消費者、労働者の視点で見てみると?

このテーマを語る前に前提として押さえておきたいのは、日本や欧米などの自由資本主義国家においては、経営を左右する上で非常に重要な「コスト」というものを突き詰めて考えて行った時に、「ロボットが出来る仕事はロボットにやらせた方がコストが安いので、ロボットに置き換える」という当たり前の事が、10~20年の間に非常に広い範囲の職種で起きるだろうと言われているという事です。

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった
現代ビジネス 2014年11月8日

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる—そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。

同論文の凄味は、702の職種すべてについて、コンピューターに取って代わられる確率を仔細に試算したことにある。言うなれば、これから「消える職業」「なくなる仕事」を示したに等しく、これが産業界に衝撃を与えているわけだ。

右に載せたのは、そうした「消える、なくなる」可能性の高い主な仕事である。いずれもコンピューターに代わられる確率は90%以上という驚くべき数字が弾きだされている。

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経営者の視点で見た場合

かっぱ寿司の場合、この一覧表の4行目の「レストランの案内係」という職業が関わってきますが、経営者側の視点で見た場合、上にあげた8つの変更点のうち6項目が人件費の削減につながる改善となっています。

更に人件費を減らそうと考えた場合、食器をコンベアで自動で運び、自動織機洗浄機で洗って乾燥させた後に所定の位置に自動で積み上げるところまで機械化する事が考えられます。

今すぐにはロボットの導入コストが合わなくても、機械技術の進化でいずれロボットのコストの方がトータルで人件費よりも安くなることは明白です。

従って、経営者としては、トータルコストを下げる、もしくはその他のサービスの拡充を図るために為にロボットが可能な仕事はロボットに置き換え、従業員を減らします。

消費者の視点で見た場合

価値のないものを高い値段で販売するようなケースでは、高度な接客のテクニックを持った従業員が必要ですが、世間一般的に価格がある程度認知されているものや、案内を主眼においたものに関しては、高度な接客レベルは必要としません。

接客をロボットが担う事により「あの店員の態度が気に入らない!」などのクレームも減りますし、接客の標準化という意味においては大手企業にとってはロボット化した方が都合がいい事がたくさんあります。

年配層はロボットは人間味が無いから人間の接客の方が良いと考えるかも知れませんが、IT技術の進化やデジタル機器の普及によって若い世代になればなるほど、その良し悪しは別として、人間味よりも合理性や案内の正確性を求めるようになるんと考えられます。

大手銀行でも、既に接客のロボット化が始まっています。

接客用AIロボットは人間を超えるのか?――国内企業500社が導入済み
HARBOR BUSINESS Online  3月26日(土)
店舗スタッフとして置かれるAIロボットを見る機会が増えた。昨年末、りそな銀行が一部の支店でコミュニケーションロボットSota(ソータ)を使った接客サービスの検証を行い、今年に入ってからヤマダ電機が接客ロボットNAVII(ナビー)の実証実験をスタートさせた。

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AIロボットを象徴するのが、ソフトバンクが発売したAI(人工知能)を搭載する人型ロボット、Pepperだ。表情や声を読み取る独自のAI技術「感情エンジン」で、人の気持ちを数値化。人とコミュニケーションを繰り返すことで、会話のやり取りを学習する。
2014 年 12 月にネスレ日本がPepperをコーヒーマシン売り場に導入し、顧客のニーズに応じて商品の提案ができるロボット店員として話題になった。今では全国のソフトバンクショップや、銀行の窓口、カフェなどに次々導入され、現在までに採用した企業は500社を超える。

人間が当たり障りない接客をする店舗で、接客以外のサービスの質が標準の場合(例えば銀行であれば金利)と、ロボットが標準的な接客する店舗で、接客以外のサービスの質が高い場合、消費者はどちらを選ぶでしょうか?

私は接客レベルよりも正確な説明と質の高い(もしくは価格の安い)サービスを選びます。

このように考えると、労働力のロボット化は慣れてしまえば消費者にとっては良い事の方が多いと言えます。

労働者の視点で見た場合

労働力のロボット化を労働者の視点で見た場合は、グローバル化で雇用が世界の安い地域に流れるのと同じように、最もコストが掛からないロボットが担う仕事が増える為、多くの労働者は職を失います。

いや、一気にこの流れが進む訳ではないので、職を失うという表現は適切ではなく、徐々に待遇が悪くなったり、再就職が困難になったりするといったところでしょうか。

いずれにしても、10~20年後には人間にしか出来ない仕事のスキルを磨いておかなければ職にありつく事は出来なくなるでしょうし、今よりも人間が就くことが出来る職種が偏ったり減ったりすることで、それに合わせた自己育成が出来ない人は極端な低賃金で使われる時代になるかも知れません。

 

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